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インドのメディア:未来は今 

南アジアのWPPのメディアエージェンシー、エッセンス・メディアコムのNavin Khemkaは、インド市場に進出を考えるブランドは、パーソナライズされた体験とデータ主導の戦略に焦点を当てる必要があると話します。

Navin Khemka

EssenceMediacom

published on

08 April 2024

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インドのメディア:未来は今 

南アジアのWPPのメディアエージェンシー、エッセンス・メディアコムのNavin Khemkaは、インド市場に進出を考えるブランドは、パーソナライズされた体験とデータ主導の戦略に焦点を当てる必要があると話します。

メディアバイイングに関して言えば、インドは若い人口と彼らの願望に後押しされたボリュームゲームです。

さらに、メディアエージェンシーがアウトプットからアウトカム(結果)へとシフトする中、精度の高いターゲティング、プラットフォーム・ファーストの考え方、デジタル・マーケットプレイスでの販売、成熟したブランドではオムニ・チャネル・アプローチへのシフトも見られます。したがって、各ブランドの成熟度を見極め、関連するメディア・オプションを活性化したり追加したりすることが重要です。

この巨大で人口の多い市場はメディアコストが低いという特徴がありますが、ブランドは、戦略的思考で全体のブランド戦略の青写真を作成し、その道筋をたどることが必要となります。参入コストが低いため、すべてのタッチポイントを活性化させようとする傾向があります。しかし、必要なのは、ブランド戦略はそのままに、関連する消費者のタッチポイントに合わせた独自のソリューションを開発することです。

ソリューションが効果的であるためには、一貫性と関連性を持たせる必要があります。シンプルな方が効果的で、さらに各消費者とのタッチポイントに意味を持たせ、実現可能であることが鍵となります。

ブランドはプラットフォームを第一に考え、そのプラットフォームに最適なソリューションを開発しなければなりません。そうした上で、AIツールを活用して消費者とのタッチポイントに集中し、消費者がいる場所で広告を展開するべきです。

ブランドが新しいブランドや製品を立ち上げる際には、D2Cやeコマース、その他のプラットフォームを活用して、テストし事前に学習しておくべきです。消費者をよく知り、提供する商品を調整するために、ファーストパーティデータの取得に注力すべきです。それによって生まれる新しい機会は、最初は小さくても、あっという間に拡大する可能性があります。短期間で大規模なブランドが誕生するのを目の当たりにしています。機敏であること、そしてスピードが鍵となるGo-to-Market戦略を持つことが重要です。

変化する消費者、変化するメディア

消費者の変化に合わせ、私たちのビジネスの様相も変化しています。明らかに、私たちのビジネスは消費者主導のビジネスです。それだけでなく、インドは現在世界で最も急速に成長している経済大国であり、GDPでは世界第5位です。

成長は国内消費が牽引しています。これはインドの広告にも当てはまります。インドの広告市場は世界第8位で、世界のトップ10市場の中で最も急成長しています。2024年も二桁成長を維持する見込みです(2023年は11.3%)。2024年には、インドのAdExの総規模は190億ドルになると予想されています。この成長を牽引するのはデジタル広告で、成長率は13%に達し、インドのAdExの57%のシェアを誇っています。

2024年の増加分のうち、70%はデジタル広告によるものです。デジタルの中では、リテールメディアが成長を牽引しています(2019-2024年のCAGRは41%)。インドの広告市場が成長しているのは、若い人口層、デジタルメディアの採用、データの民主化(多くの人がデータを利用できるようになったこと)、デジタル決済の浸透などが背景にあります。これらすべてが、消費者の購買プロセスにおける消費者のストレスを減らすことにつながっています。

今後20~30年、インドでは、より多くの人々がより多くの収入を得、より多くの消費をすることで、このメガ消費ストーリーが爆発的に拡大することになるでしょう。

中産階級の台頭、そしてピラミッドの下層に向かう富によって、人々の願望はさらに高まり、それは、ブランド、代理店に大きなチャンスをもたらします。実際、次のビッグ/メガブランドの波がインド市場から始まる可能性は十分にあります。

そして、コロナはインドに、従来のブランド構築のアプローチに対する考え方を大きく変化させました。今やインド市場は、強固なエコシステムに基づいたデジタル・ファーストのイノベーションを特徴とする市場です。インド経済の成長は、このエコシステムの成功と密接に結びつき、2027年までに第3位の経済大国になると予想されており、すでに100社以上のユニコーンが誕生しています。そしてその数は、2027年までに500まで増加すると予想されています。

さらに、インドは世界で最も安価なデータ市場です。5億人以上のスマートフォンユーザーが、安さを背景にデータを大量に消費しています。これらのユーザーの多くは固定回線に接続したことがなく、そのままワイヤレス・テクノロジーに移行しました。消費者がテクノロジーを受け入れるスピードは非常に速く、私たちはテクノロジーのサイクルを飛び越え、次の成長軌道へと飛躍しているのです。

適材適所

ブランド、そしてエージェンシーは、各プラットフォームのニュアンスを理解し、効果的な戦略を設計するというより複雑な状況をナビゲートする役割を負わなければなりません。YouTubeでうまくいったとしても、AmazonやOTTでうまくいくとは限りません。プラットフォームを横断したマーケティング活動は、一貫性があり、測定可能であると同時に、プラットフォーム独自の環境に合わせてカスタマイズ、統合、調整されることが重要です。

私たちは、ハロー効果を促進することを考える必要があります。一貫性がありながら、その環境にユニークでなければなりません。

戦略的思考を異なるプラットフォームに適応させ続けなければなりません。今日台頭しているブランドの多くは、数年前には存在していませんでした。今日私たちが目にしているのは、デジタル・ネイティブによるデジタル・ネイティブのための、デジタル・ネイティブに後押しされたブランドです。

体験の創造

今日インドでは、多くのブランドが、消費者の購買プロセス全体を理解し、それに基づいた総合的なマーケティングアプローチを取り入れています。これにより、ブランドは長期的な投資ができるようになりました。体験の創造は、収益の増加や利益ある成長を維持し、消費者の生涯価値を確認するに不可欠になっています。

その結果、オムニ・チャネルの高まりが見られます。D2Cブランドは実店舗への進出を急ぎ、その逆もあります。D2Cブランドは、依然として物理的なプレゼンスやタッチ&フィール体験が非常に重要な国であるインドにより深く浸透したいと考えており、次の成長段階が、物理的な体験モデルを攻略することから来るかもしれないと認識しています。

一方、伝統的なブランドは、現在デジタルの占める割合は売上全体の10%未満ではあるけれど、新しい消費者に対応する準備のために、デジタルの波に乗ろうとしています。

私たちはインド市場において変化の最先端にいます。学び続けることが重要なのです。

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